「革新的AIエッジコンピューティング技術の開発」

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)で行われていた「革新的AIエッジコンピューティング技術の開発」に関するテーマと参加組織を列挙してみます:

ソフトテンソルプロセッサによる超広範囲センシングAIエッジ技術の研究開発

ソフトテンソルプロセッサ技術と紹介されている技術は、FPGA上にプログラム可能なハードウェア技術で、ディープラーニングに用いられるテンソル演算を低消費電力で実行することができるものです。中間データなどをCPUとやり取りしないためデータアクセスなどのコストを下げ、消費電力などの効率化が実現できるようです。また、ディープラーニングモデルを精度を保持したまま圧縮し、FPGA 上への実装、メモリ使用量の効率化などの技術に関する研究開発が行われていた模様です。

技術開発と社会実装はリンクによると以下の図で展開されていて、高精細なセンシング(8Kなどのデータサイズが非常に大きいようなセンシング)において低い消費電力の実現(GPU比 1/20)を目指している模様です。

5G時代を見据えた高度自律的学習機能搭載のためのAIエッジコンピューティング技術の研究開発

以下の研究項目を行っているようです

  1. AIエッジコンピューティング技術の研究開発
  2. 人工意識による高度自律的学習機能の研究開発
  3. AIエッジコンピューティングに基づくドローン制御技術の開発
  4. 5G通信環境によるエッジ-クラウド連携技術

人工意識による高度自律的学習機能の開発については以下で説明がされています。

関連

2022年12月からの改正航空法によってドローンは有人エリアでの目視外飛行(レベル4)が可能となり、物流、点検、警備・監視等の多様なフィールドでの需要が期待されています。ただしドローンはバッテリー駆動のエッジ機器であり、電力量や計算リソースに制限があるため、高い精度を得るための大規模なAIモデルの実装が困難であるという課題がありました。そのためAIモデルの精度を保持したままエッジデバイスの小規模化、低消費電力化するための技術が重要となってきます。

AIエッジモジュールをドローンに搭載することオンデバイスで推論処理を実現し、またモバイル通信を行うことで対象とする撮影画像のみをクラウドへアップロードすることで、対象物の検知からデータの保存までを end-to-end で実現できるとのことです。 またモデルの軽量化ではFPGAに加えて、AIチップ(Hailo社のHailo-8を用いたとのこと)での精度検証を行ったようです。

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